Archive for 5月, 2010
「ダービーを勝つことは一国の宰相になるより難しい」
確率論の問題でこのように評され、誰もがその名誉に憧れる日本ダービーが本日行われる。
今年は史上最強のメンバーが揃ったと言われ、競馬ファンにとっては見応えたっぷりのレースになることは間違いない。
・1番エイシンフラッシュ
瞬発力を武器に京成杯1着→皐月賞3着と堅実に実績を残しているが、出走レースはすべてスローペースからの瞬発力勝負であり、底力の裏付けがなされておらず、どこまで資質が高いかは未知数。
・2番レーヴドリアン
出遅れ癖があるのが難だが毎回堅実に追い込んでくるが、坂のある東京コースよりも平坦でキレ味を活かすレースが得意な馬。
・3番ルーラーシップ
名牝エアーグルーヴ×ダービー馬キングカメハメハとの子供という、まさに日本ダービーを勝つために生まれてきたような同馬。直線大きな不利を受けながらも立て直して豪快に差し切ったアルメリア賞を始め素質の一端を魅せるレースはあったが、レースの流れに乗れないと伸び切れなかったりと、どうも精神的に脆い面を見せることが多かった。しかし、前走のプリンシパルステークスで馬なりで4コーナーを回り直線半ばで追い出すと2着馬を0.7秒もちぎるという圧勝劇。素質が開花した感があり、どのようなパフォーマンスを魅せてくれるか楽しみな一頭。
・4番サンディエゴシチー
瞬発力にかけるためロングスパートに持ち込めるレース展開で浮上してきたが、今回のメンバーに混ざると底力・瞬発力ともに足りない。
・5番コスモファントム
一級の底力と先行力が武器の同馬。デビュー戦からダートを使っていることからもわかるように脚元の状態が心配ではあるが、まだ底を見せていないのは強みで、このメンバー相手でも浮上する可能性は充分。
・6番アリゼオ
シンボリクリスエス産駒らしい不器用なレースぶりが目立つが一定以上の底力は見せており侮れない。ウィリアムズの乗り方ひとつで善戦が可能。
・7番ヴィクトワールピサ
フットワークの問題で魅せる競馬ができないため実力ほど人気がない同馬だが、瞬発力・底力ともにこのメンバーでは抜けており、馬場が渋ってようが前が詰まっていようが常に1着を取り続けている同馬はまさに「優等生」。今回も大崩れはしないだろう。
・8番ローズキングダム
圧倒的なキレ味で優等生ヴィクトワールピサに唯一影を踏ませた同馬。ここ2戦は2歳時ほどの圧倒的なパフォーマンスを魅せることはできていないが、荒れ馬場でキレ味が活かせなかったという明確な敗因がある。パンパンの良馬場でキレ味を活かせる展開ならば、まだまだ侮れない。
・9番ペルーサ
キャリアこそ4戦と浅いが、若葉ステークスと青葉賞で一級品の底力と瞬発力を示し、父ゼンノロブロイを超える資質を見せており、これからどこまで飛躍できるかが楽しみな一頭。横山騎手×藤沢厩舎で父ゼンノロブロイの雪辱を果たしたいところ。
・10番トーセンアレス
血統的にもパフォーマンス的にも明らかにダート馬。今回は厳しい。
・11番ハンソデバンド
能力は高いが折り合いがカギ。また、前走で見せたモロさもマイナス要因。
・12番ヒルノダムール
キャリアを重ねながら底力とキレ味に磨きをかけた同馬。前走皐月賞では不利を受けながら大外をぶん回して2着に突っ込む。広い東京コースで伸び伸びと走らせてやれば、さらなる上昇は必須。
・13番ゲシュタルト
相手なりに走るが、一級線のメンバーに入るとどうしても瞬発力で見劣ってしまう。乗り方ひとつで浮上は可能だが、瞬発力タイプの騎乗が上手な池添がこの弱点をカバーできるかは難しいところ。
・14番リルダヴァル
2歳時に見せた上がり33.2秒の極上のキレ味は世代NO.1。成長期に骨折してしまったのは残念だが、使うごとに着実に良化しており、また日本レコード決着の前走で3着に入り一定以上の底力の裏付けをみせたことは評価できる。ただ、前走の反動はかなり心配なところ。
・15番メイショウウズシオ
常に掲示板を外さない堅実な同馬だが、このメンバーでは能力的に厳しい。
・16番シャイン
こちらも先行力は魅力的だが、このメンバーに入ると底力・瞬発力は見劣る。
・17番トゥザグローリー
名牝トゥザヴィクトリー×キングカメハメハというルーラーシップと同じく一流の血統の同馬。資質は見せているがまだ開花はしておらず今回の日本ダービーを糧に今後の飛躍に期待できそうな馬だが、現時点ではこのメンバーに敵わないであろう。
・18番ダノンシャンティ 出走取消
共同通信杯・毎日杯で魅せた異次元の瞬発力に、日本レコード決着となったNHKマイルカップで発揮した極上の持続力で、既に名馬の条件が整った同馬。年明けから2戦を使い、日本レコードの前走を使ったことで目に見えない疲労が蓄積されていることは明らかであったのに、さらなる負荷をかけ過ちを繰り返してしまう松国調教師は猛省すべき。距離が延びて落ちるパフォーマンスや父フジキセキという血統からもダービーはベストの舞台とは言えず、無理するところではなかった。
★総評
前日から雨が降ったことでやや渋った馬場はキレ味を活かしたいローズキングダムやリルダヴァルにとってはマイナス。逆にどんな条件にも左右されない優等生ヴィクトワールピサにとってはプラス。逃げ馬が不在でコスモファントムやゲシュタルトがどのようなペースを刻むかがカギとなってくる。おそらく、ゲシュタルト騎乗の池添はわかっていないだろうが、コスモファントム騎乗の松岡はスローペースを刻めば勝ち目がないことは理解しており、坦々としたラップを刻みロングスパート合戦に持ち込むであろう。後はアリゼオ騎乗のウィリアムズが同馬の資質を理解して先行してくるかどうか。そうなれば、直線しぶとく粘るコスモファントム・アリゼオを巡って、内からルーラーシップ。真ん中からペルーサ・ヴィクトワールピサ、大外からヒルノダムールが突っ込んでくる展開が嵌る。そこで抜け出してダービーの勲章を手にするのはどの馬か今から楽しみでならない。
